初めてのプレゼント2

週明けの月曜日からは、知り合いのところでバイトが始まりました。
次の派遣先が微妙に条件が合わず、2つほどお断りしてしまったので、連絡待ちという状態だったから。

パソコンが使えるので、と言っても言われたものを言われた場所に入力したり、電話番をしたりする程度なので、けっこう楽だったりする。
その日は、事務所の方々と歓迎会を称して居酒屋へ。
楽しくお酒を飲み、翌日はまたバタバタと事務所へ。
そんな感じで1週間仕事をこなし、ふと気がついたのが金曜日の夜でした。
小さな紙袋の存在。
背中にあぶら汗がにじんでくる感じがしました。
食べ物だったらどうしよう!!!
せめて、クッキーとかなら多少賞味期限もあるのだろうけれど、もしなまものだったら!?
その袋を開けるときは、本当にドキドキしました。
そして、紙袋は、なぜかホッチキスで止められていたので、ぶちっと開けると、中にもう一つの一回り小さな茶色い紙袋。
LOUIS VUITTONの文字が。
えっ!!
と思い、紙袋の中をのぞくと同じ色をした茶色の小箱。
さらに、茶色の小箱引き出しを開けると、中にはお財布が。
初めて手にしたブランド財布。
ええっ!!
一瞬、何が起こったのかも、誰からのプレゼントかも忘れ、ぼーっとしてしまいました。
ほんの数秒の後、我に返ったわたし。
こんなの、いただけない。
社長さんに電話をしようと携帯電話を手にしたけれど、良く考えると直接の電話番号は、派遣先の会社の使っていたパソコンの中。
普通、よっぽどの用事がなければ、取引先の人の連絡先を自分の携帯電話に入れることなんてないですよね?
どうやって連絡しようかと悩みました。
派遣先に電話して聞くのも良いのですが、きっと何の用かと勘繰られるにちがいないし。
確か、社長さんは、ご結婚されていたはず・・・。
いろんなことを考え、“近くにきたから”と手土産をもって、退職時のプレゼントのお礼に伺おう、と結論を出す。
が、次の1週間は突然すぎてお休みがもらえず、その翌週の火曜日になんとかお休みをもらって会社訪問。
せっかくいただいたプレゼントなのに、その時点ではうっとおしいものに変わっていました。
20日ほどぶりの顔は、なんとなく皆懐かしく、お昼休みの時間にもかかわらず、皆集まってくれて、なかなか電話する機会が持てない。
30分ほどたってようやく解放され、取引先の社長さんからもプレゼントをいただいて連絡を取りたいから、と、携帯電話をパソコンの情報でみてもらう。
それを控えて帰ろうかとも思ったのですが、もし、下心がおありのようなら、相手に情報を教えてしまうようなもの。
わたしは会社の住所だけ、控え、派遣先の会社の電話を使う許可をもらって社長さんに電話する。
周りに人のいないタイミングを見計らい、プレゼントを会社まで返しにいく、と告げると、
「会社に来られても困るので、捨ててください。もし良ければ、安物なので、遠慮せずに使ってください。」
と。
かなり、迷ったのですが、捨ててくれとまで言われるとどうしようもないので、有り難く使わせてもらいます、と丁寧にお礼を言って、使わせていただくことにしたのです。
特に、誘ってくるわけでも、連絡先を聞いてくるわけでもなく、お世話になったから(ほどんどはわたしがいろいろわからない点を直接社長さんに聞く、という感じだったのですが)、とすんなり言って述べる社長さんを、ほんのちょっと格好良いと感じたのですが、それはそれ。

大切に使わせていただいております。